もうすぐ新しい弁護士が増える時期です
年末年始は新人弁護士が増える時期です。
学校や会社では新入生、新入社員が増えるのは4月なので、変わっているかもしれません。
このようになっている理由は弁護士になるための修習制度にあります。
弁護士になるためには、一般的には司法試験に合格する必要がありますが、
司法試験に受かったからといって、すぐになれるわけではなく、
司法修習という研修を受けて、試験に合格する必要があります。
この試験は司法試験とは違い、一般には「二回試験」と呼ばれています。
(司法試験を1回目として、2回目の試験だからですかね?)
最近では、5月に試験を受けて、9月に合格発表があり、12月から司法修習が始まり、約1年研修を受けて、翌年の12月に二回試験とその合格発表があるという流れになっています。
昔は、司法試験のスケジュールが少し違ったり、司法修習の期間が長かったりしていました。
つまり、弁護士として仕事ができるようになるのは、最短でも司法試験に合格した年の次の年の12月からということになります。
そのため、早い人であれば12月の末頃から弁護士事務所で仕事をし始めますが、
12月一杯はゆっくり家族と一緒に過ごしたりして、翌年のお正月明けから仕事をし始める人もいます。
そこで、新人弁護士が年末年始に増えるのです。
大分県弁護士会は、個々の弁護士同士が裁判等で戦うことも多ければ、弁護士会として団結して行動することも多いため、どんな弁護士が入ってくるか、みんな気になっています。
他方で、新人弁護士の多くは、「これからよろしくお願いします。」という意味で、近くの事務所を回ります。
(別に誰も強制しているわけではありません。)
私の事務所にももうすぐそういう新人の弁護士さんが来てくれるかな、と今から楽しみにしています。
大分県の弁護士事情
大分県の中では、この記事を書いている時点で、少なくとも160人の弁護士が活動しています。
その多くが大分市で活動しています。
特に、大分市の中でも大分地方裁判所(お城のあたりです)の近くに沢山の弁護士がいます。
その理由は、弁護士の重要な仕事の1つは裁判所で裁判を戦うことなので、裁判所の近くの方が働きやすいからです。
また、大分市には多くの人口がいますから、お客さんが来やすいというのも理由の1つです。
ところで、大分県には約120万人の人が住んでいます。
単純計算すれば、7500人の県民に1人の弁護士がいることになります。
全ての人が法律トラブルで困っているわけではないので、1人の弁護士が7500人分の法律トラブルを処理しているわけではありませんが、それでも弁護士の数は足りなく見えるかもしれませんね。
ちなみに、お医者さんと比べると、大分県民380人に約1人のお医者さんがいる計算になります。
大分県内で活動している弁護士は、大抵、大分県弁護士会という団体に登録しています。
大分県弁護士会は、刑事弁護(刑事裁判を戦う仕事)を熱心に行うことで全国的にも有名です。
また、弁護士会内部の委員会がそれぞれ無料相談会やイベントを企画して活動しています。
例えば子どもに関する活動として、法教育委員会が、学校に呼ばれて出前授業を行うことがあります。
出前授業では、いじめをすると法律上どのような結果になるのか、また、ネットでトラブルが起こさないようにどうすれば良いか、などの授業を学校の先生に代わって行います。
また、裁判所の法廷を借りて、実際の裁判がどのようなものかを体験するイベント(模擬裁判)を開いています。
模擬裁判では参加している子ども達が実際に裁判官役になって、裁判を進め、判決を書いてもらいます。
(途中途中で弁護士達がアドバイスするので、法律の事なんて何にも知らなくても大丈夫です。)
その他、子どもの権利委員会という委員会が、毎週水曜日の午後4時30分から午後7時30分まで、子供に関する電話法律相談を無料で受け付けています。
電話番号 097-536-2227
必要が無ければ名前や住所も教えずに相談することができるので、気軽に相談することができます。
大分県の弁護士は、自分の仕事だけではなく、弁護士会としての仕事も行い、
なるべく社会の役に立つように頑張っています。